自律神経失調症の辛さは、なかなか周りの人に理解してもらえません。
それ故、本当に辛いのに、「サボっている」「やる気がない」とみなされて、仕事や私生活で無理を強いられることも少なくありません。
今回は、なぜ自律神経失調症の辛さは理解されにくいのか、私の経験を元に書いて行きます。
Contents
自律神経失調症の症状が伝わらない理由
症状が目に見えない
周囲の人に伝わらない1つの理由として、そもそも自律神経失調症の症状がわかりにくいことが挙げられます。
下の表は、私が独自にまとめた自律神経失調症の症状一覧です。
これを見てもわかるように、自律神経失調症の症状は、本人しか感じられないものがほとんどです。例えば風邪であれば咳や鼻水など、周りからもわかりやすいですが、自律神経失調症の場合は、だるさやめまいなど、周りからはわかりません。吐き気はあっても、実際に吐くことはほとんどないですし、多汗であってもただの汗っかきにしか見えないのです。
心理的症状に関しては以ての外ですね。ただのやる気がない人に見えてしまう可能性も、十分あります。
もちろん、人によって症状の種類や程度は異なりますので、見るからに辛そうという方もいると思います。ただ、自律神経失調症を患っている方の大半は、周りに理解してもらえないことが多いのではないでしょうか。
症状に波がある
自律神経失調症の症状は波があります。なので、死ぬほど辛い時もあれば、なんとなくめまいがするな、程度の時もあります。自律神経の乱れ具合によるのだと思います。
辛い時は本当に辛くて、仕事も手につかず、となるのですが、症状がない時はないので、普通に遊んだり飲み会に参加したりもできてしまうのです。
それ故、「やる気がないだけ」「仮病」「本当に具合が悪いのか?」などと思われてしまうのです。
シーン別!自律神経失調症の伝わりにくさ
ここからは、私の実体験から感じた自律神経失調症の辛さの伝わりにくさを、シーン別に紹介します。同じような体験がある方は、周囲の方にこの記事を見せて、「ほら、わかりにくいけど私は辛いんだよ!」と訴えてみるのも手かもしれません。
仕事編
会社にて
私の仕事はデスクワークです。これがなかなか自律神経失調症にとっては辛いのです。座ってるだけで楽に見えるかもしれませんが、身体がバキバキに凝りますし、PCのブルーライトで眩しくてたまりません。自律神経失調症は身体のコリと深い関係がありますので、仕事をするだけで症状は悪化していくのです。
さて、私はそんな身体のコリによる痛み、眩しさ、めまい、気持ち悪さ、を仕事中には特に感じていました。得体の知れないめまいや気持ち悪さで気分が塞ぎ、「ああ、このまま死ぬのかな」などと考えることもありました。
そんな状態なので、私の仕事のクオリティはみるみる下がり、ため息の回数とともにミスも増え、締め切りに間に合わないといったことも少なくありませんでした。
その度に上司に注意をされていました。「どこか具合が悪いのか?」と聞いてくれる上司もいましたが、私は「症状を言ったら、うつ病だと思われて会社に居辛くなるのでは?」という恐怖から、「少しめまいがする」程度にしか言えませんでした。
飲み会にて
私は結構気を遣う性格です。それ故、飲み会の誘いがあるとなかなか断れませんし、二次会、三次会まで付き合ってしまいます。断ったら「あいつは付き合いが悪い!」と思われるのではないか、などと考えてしまうのです。
それ故、飲み会には参加するのですが、やはり時間が遅くなるにつれ、疲れが出てきたりめまいが強くなったりしてきます。また、飲み会に参加すると、翌日の気分の塞ぎようがいつもの数倍になります。これは、睡眠の質が下がるからではないかと考えています。
私が飲み会で一番困るのは、むしろ具合が良い時です。具合が良いので普通に楽しいですし、周りからも楽しそうに見えていると思います。しかし、その状態を上司に見られている場合、翌日以降、仕事中にまた具合が悪くなりミスなどした時に、「飲み会には参加できるんだから心の病ではない。やっぱりやる気がないだけなんだな」と思われてしまう気がします。
仕事においては、症状の波がある故に、具合が悪い時にそれが病気だとは理解してもらえないことが何よりも辛かったです。
私生活編
私は年甲斐もなく未婚ですので、家庭を持っている方のことはわかりません。なので、実家に帰省した時に感じたことを簡単に書きます。
親や親戚は、帰れば「元気にやってるか?」と聞いてきます。「バリバリ自律神経乱れて調子悪いよ」とは流石に言えず、「元気だよ」というのですが、そうすると、普段通りに色々なところへ連れ出してくれたり、ご飯を用意してくれたり、お酒を飲んだりすることになります。
また、実家に帰ると、普段よりも気を遣ったり家事を手伝ったりするため、いつも以上に疲れたり症状が悪くなったりしますが、家族に心配をかけたくない思いから、無理をして、実家を出る頃にはめまいがひどいということがよくあります。
これは、家庭を持っている方も同じなのではないでしょうか。心配をかけたくないから、家族には症状を言わず、一人で苦しむ。症状が見えない分、言わなければだれもわからない。言ったとしても、病院の検査で異常は出ないのですから、なかなか理解してもらえません。
また、生活のリズムやスタイルを家族に合わせなければいけないことも、具合の悪い時に休みにくく、辛いように思います。
恋愛編
これは、なんとなく昔のことを思い出したので、おまけ程度に書きます。彼氏・彼女が自律神経失調症という方は、相手の理解の一助になればと思います。あなたの恋人は、自律神経失調症が故にこんな悩みを抱えているのだと。
手をつなぐ時
まず、恋愛において私が困ったのは手汗です。恋人同士やはり手は繋ぎたいですよね。でも自律神経の乱れで、私の手は常に濡れているのです。しかも緊張すると汗の量はさらに増えます。恋人と手をつなぐ時には、この緊張も相まって、手の中はぐちゃぐちゃでした。初めの内は「緊張して云々」で何とかなりますが、それなりの期間付き合うと、緊張では通じなくなり、気まずい思いをしました。
デートにて
イチャイチャする時
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は自律神経失調症の症状の伝わりにくさと、その悩みなんかについて書いてみました。懐かしい気持ちからか、恋愛編が思いの外長くなってしまいました(笑)
何はともあれ、自律神経失調症ってわかりにくいけど、本人たちは結構辛いし、悩みがあるんだよ、ということが伝われば何よりです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
コメント
初めまして、ツイッターを通じてこちらのブログを知り、拝読させていただきました。
私も自律神経失調症です。
正式に診断されたのは5年前になりますが
症状を考えると10年前からのお付き合いになります…
こうしてネットを通じて同じ病気で頭を悩ませている方を知るたびに心が痛くなると共に私も頑張らなきゃと励まされています。
あなた様のブログを通じてさまざまな方がこの病気を知ってもらうこと、そして苦しんでる方の励ましになってほしいと思いました。
長文失礼いたしました。
これからもブログを読まさせていただきます。
ゆき様
コメントありがとうございます。
私見ですが、自律神経失調症は長い年月をかけて少しずつ乱れて行くイメージなので、
「思い返してみると、あの頃からの不調もそうだったんだろうな」という考え、よくわかります。
こんな私のブログでも、「同じように苦しんでいる方の一助になれば」との思いで日々記事を書いております。
ご丁寧なコメント、大変励みになります。
これからも、少しでも意味のある記事を書いていきたいと思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。
最後になりますが、
10年前から症状が続いているのは相当辛いと思います。
ゆき様の症状が軽くなり、何の心配もなく日常を過ごせるようになることを、心よりお祈り申し上げます。