おじさんの知恵

汗っかきは自律神経が乱れている〜多汗の症例と改善方法〜

ElisaRiva / Pixabay

連日の猛暑で、毎日汗が止まりませんね(夏真っ盛りにこの記事を書いています)。いくら水を飲んでも、すぐに汗で流れていってしまいます。熱中症対策のためにも、水分だけではなく、塩分やミネラルも同時に摂取しておくことがオススメです。

さて、今回はそんな汗について書きたいと思います(導入が雑ですみません)。自律神経が乱れると、暑くなくても汗が出る「多汗」という症状が現れることがあります。私も自律神経の乱れによる「多汗」の症状に悩まされています。そんな私の体験談も交えて、解説していきたいと思います。

汗は体温調節のためにかく

そもそも人はなぜ汗をかくのでしょうか。

多くの人がご存知の通り、体温調節のためです。暑さを感じると、脳から指令が出て身体は汗をかきます。そして、汗が蒸発するときに、皮膚表面の温度を奪ってくれるため、上昇した体温を下げることができるのです。

また、汗は老廃物を体外に排出する役割も兼ね備えています。流行りの(もう古い?)デトックスというやつです。

このように、汗は身体を守り、健康を維持するためにかくのです。しかし、自律神経が乱れると、これらの目的とは無関係に汗をかくようになります

自律神経の乱れによる汗

私が体験したシチュエーションと原因を書いていきたいと思います。あくまで経験から考えた個人的な意見ですので、参考程度にお読みいただけたら、と思います。

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緊張すると、汗をかく

シチュエーション

これは自律神経失調症でなくても、多くの方が体験したことがあると思います。面接や大勢の前でのスピーチ、上司や先生と話す時、などなど、誰しも緊張するシーンは経験したことがあると思います。そしてそんな時に冷や汗をかいた経験もあると思います。

しかし、自律神経が乱れると、そんな時に出る汗の量が尋常ではなくなります。普通の人は、「少し手や脇に汗をかいた」程度でしょうが、自律神経失調症の人はシャツがべっとり濡れるほど汗をかきます。もちろん個人差はあるのでしょうが、私はそんな感じでした。

原因

緊張時に汗をかくことは、元々は身体本来の機能によるようです。一説によると、かつて人類が狩猟民族だった頃、狩りを行う時に道具(槍とか?)が滑らないようにするため、人は緊張すると汗をかくようになったそうです。

この話が本当なら、緊張すると汗をかくのは仕方ないことです。そして、自律神経が乱れると身体は基本的に緊張状態にあります。なので、少し緊張しただけでも、身体としては大幅に緊張したと感じ、たくさんの汗をかいてしまうのだと思います。

自律神経の乱れと緊張状態については、以下の記事も参考にしてみてください。

数ある自律神経失調症の症状の中でも、特に多くの方が悩んでいるのは、「めまい」ではないでしょうか。 私自身、「自律神経失調症ってどんな感...

疲れを感じると、汗をかく

シチュエーション

自律神経失調症の方は、そもそも「疲れやすい」という症状があるのですが、症状がひどくなると、疲れを感じると同時に汗をかくように感じます。より正確に言うと、「疲れたけれど、もう少し頑張らなきゃ」と少し無理をしている時に汗をかきます。例えるなら、小学生時代に、悪いことをしてしまったけれど、先生にバレるのが嫌で、黙っている時にかく冷や汗のような感じの汗をかきます(分かりにくかったらすみません)。とにかく首筋や背中にかけて嫌な汗をかきます。

原因

自律神経失調症による「疲れやすさ」は、身体が常に緊張状態にあるために、そもそも体力を使いすぎていることが一因じゃないかな、と私は考えています。リラックスしたくても、交感神経が昂ぶっているため、身体としては体力を使ってしまっているということです。

よって、疲れているのに「もっと頑張ろう」とすると、身体はより緊張状態にハマっていきます。それが汗へと繋がるのではないでしょうか。

食事をすると、汗をかく

シチュエーション

これは特に自律神経の乱れがひどいな、という時に限ってなのですが、食事中や食後に冷や汗のような嫌な汗をかきます。さらにひどい時には、悪寒手足の震え痺れを伴って、冷や汗をかきます。

原因

自律神経が乱れると、質の良い睡眠が取れなくなります(詳しくは以下の記事を参考にしてください)。すると、本来睡眠時に休息する胃腸などの内臓が休めなくなるため、機能がどんどん低下していきます。自律神経失調症の人の多くが、胃腸の調子が悪い傾向にあるのはこのためです。

弱まった胃腸に食物を入れることは、身体にとっては相当な負担のはずです。ある意味命の危機を感じるレベルかもしれません。とにかく弱った胃腸に食物が来ることで、身体は緊張状態に陥ります。これが食事中や食後に汗をかく原因なのではないか、と考えています。

長引く原因不明の不定愁訴(めまい・頭痛・胃腸の不調・吐き気・不安感・憂鬱感などの不調)は、自律神経の乱れが原因かもしれません。自律神経の乱れ...

特に何もしていないのに、汗をかく

シチュエーション

日常生活を送る上で地味に辛いのがこれです。QOL(Quality of Life)だだ下がりです。

自律神経が乱れると、何をしていなくても汗をかいてしまうことがあります。普通に仕事をしている時や友達と話している時、ちょっと散歩してる時などです。仕事中に汗をかくと、手汗で書類は濡れるし、お尻の汗でズボンは蒸れるし、と地味に辛いです。友達と話していても、「なんで汗かいてるの?」と好奇の目を向けられて、これも地味に辛いです。

原因

察しの良い方はもうお気づきかと思います。

自律神経失調症の方は常に身体が緊張しています。よって、何もしていなかったとしても、身体としては緊張しているので、「汗をかかなきゃ!」と勘違いしてしまうのです。これが、特に何もしていないのに汗をかくメカニズムだと考えられます。

自律神経の乱れによる汗の対処法

先述の通り、自律神経の乱れによる汗は、身体が緊張状態であることに起因していると考えられます。よって、緊張を緩和してやれば、汗も抑えられるのではないかと思います。ここでは、私が実際に試して効果を感じた対処法(緊張の解き方)をお教えします。

目を閉じて深呼吸

リラックス法の王道とも言える「深呼吸」ですが、結構効果があります。大切なのは目を閉じることと、腹式呼吸です。私が実際に行なっている手順は以下です。


  1. 目を閉じる
  2. 腹式呼吸でゆっくり深呼吸(吸うよりもしっかりと吐くことに重きを置く)
  3. 深呼吸に疲れる前にやめる

目を閉じることで、周りの情報を一旦シャットアウトします。

そして、深呼吸。これは吸うことよりも吐くことに重きを置いた方が良いです。まず吐く。肺の空気をとりあえず出し切る。すると、自然に必要なだけの空気を身体が取り込んでくれます。

そして割と大切なのが、3番です。意識して深呼吸すると逆に疲れてしまうことがあります。慣れない腹式呼吸による腹筋や横隔膜の疲れもあるのかもしれませんが、目的はリラックスです。疲れる前にやめましょう。

何はともあれ、嫌な汗を感じたら、とりあえず目を瞑って深呼吸です。

「大丈夫」と思い込む

これも結構よく言われますが、効果はあります。基本的には先述の深呼吸の方が即効性があると思いますが、上司への報告中など、深呼吸ができないシチュエーションも多くあると思います。そんな時には、この思い込みが結構効きます。ただし、緊張時に急に「大丈夫」と思い込むのは結構難しいし疲れます。余計に緊張して汗が止まらなくなることもあります。

なので、この方法は日常的に実施してください。何もしていなくても、とりあえず「最近は調子が良い」とか「汗をかいても気にしない、気にしない〜」と普段から思うようにしていると、次第に汗が気にならなくなって、気づいた頃には嫌な汗の頻度は格段に下がっていると思います。

暗示にかかるまで時間がかかるので、即効性はないですが、一回かかってしまえば持続性はある方法なので、オススメです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。自律神経失の乱れによる汗は、全て身体の緊張が原因と言えます。今回紹介した対処法で、少しでも皆さんのQOL(Quality of Life)が向上することを願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。